「ミュージカル黒執事 千の魂と堕ちた死神」を見たら沼だった

先日、友人からミュージカル黒執事のDVDを3本借りました。ハマりました。あまりにもどストライクに私の心臓ど真ん中をストレートでぶち抜いていったので興奮のままにはてなブログを作ってしまいました・・・これが力か・・・。

借りたDVDは3つ。

  1. 千の魂と堕ちた死神(2013)
  2. 地に燃えるリコリス(2015)
  3. NOAH'S ARK CIRCUS(2016)

最初にお伝えしておきますと、筆者は黒執事に全く触れたことのない人間でした。原作もアニメも何も見たことがなければ読んだこともない。その昔友人に「あくまで執事なんだよ!」と言われていたのでセバスチャンの正体は知っているくらいの知識。つまりほぼ何も知らない。何も知らないけど2.5次元ミュージカルにはちょっと覚えがあり(忍ミュ)、その話で盛り上がった流れで見ることになりました。まあそのへんは本編に関係ないので割愛します。

今回「千の魂と堕ちた死神」は1人で見たのですが、その前に「地に燃えるリコリス」をDVDを貸してくれた友人含め3人で鑑賞会を行いました。心臓を打ち抜かれたのはこの時で、黒執事の基礎知識をほんのり教えてもらいました。

そんなほんのり知識の黒執事初心者が送る「千の魂~」レポ、始まります。ネタバレありです。本格レポ&はてブロ初心者なので多少温かく見守ってください。

 

 

 これが黒執事・・・

ステージいっぱいに広がる19世紀英国の世界。身体のラインが出る衣装、ヒラヒラふわふわ豪華で華やかなはずなのにどこか暗い雰囲気・・・・・・もうめっちゃ好き。こんなに好みどストライクな世界観とビジュアルなのに何で今まで読んでいなかったのかが不思議でしょうがない。まさにダークファンタジー後味の悪い結末、後を引く胸糞悪さ、絶対人気あるだろう敵のキャラクター、そしてその背景。ごめんもうほんと好き。今回で言うならエリックめっちゃ好き・・・たった1人の大切な人のために何もかもをなげうって全てを敵に回してたった1人になっても己の想いを遂げるために前へ進むエリック・スリングビー・・・・・・好き・・・・・・・・・好き以外何もない・・・・・・・・・・・・。そしてそんなエリックに、同じく何もかも捨てて一緒に行く決意をするアラン・・・・・・もう恐ろしく好き・・・。エリックの犯した罪を丸ごと全て受け止めて、怒るでもなく宥めるでもなくただ一緒にいると・・・それだけ・・・・・・・・・・。はーーーーーー(ため息)。

そしてセバスチャンとシエル。シエルの魂を喰らうという契約の下、執事に徹するセバスチャン。シエルの方が背が低いのにあの見下すような視線が何とも言えずセクシーで最高です。2人の力関係をあの視線1つで表現するシエル役田中偉登くん将来有望すぎませんか。「イエス、マイロード」でひざまずくセバスを“みおろす”のではなく“みくだす”って感じのあの目!あの視線!ただの手駒ですもんね。ただの契約関係、かと思えば「美しいものは、ただ美しい」でシエルを見つめるセバスチャンのあの目。いや、ただ美しいシエルの魂を求めているのだろうけれど。それでも契約の2文字で収めていいのかわからないほどの信頼関係、があるのかないのかわからない悪魔と伯爵。

2人の関係を「友情」と言うエリック。友情こそが1番だと。対して「契約」が全てだと言い切るセバスチャン。最後の最期、エリックがアランを殺した瞬間、ニヤリと笑ったセバスチャンは間違いなく悪魔で。それを見上げるエリックは死神だけどとても人間味あふれる表情でした。セバスチャンに殺してくれとせがむシーンから最期までのエリックの表情がとてつもなく好き。とても人間らしくて、死神なのに死ぬことを恐れ、もう何もわからないと嘆き、それでも死に場所はアランの横でありたい、と・・・こう、もう、ほんとさあ・・・言葉にならない感情が後味最高に悪くて胸糞悪くてめちゃくちゃ好みですわ・・・・・・。

そして一番最後。「千の魂より、あなたの魂の方が価値がある」と言うセバスチャン・・・え?本当にあんた契約関係だけ?本当に?まじで?えっ???みたいな勘違いさせる台詞ちょっとほんとやめて勘違いするから。

と、ここまでメインストーリーの重厚な暗い雰囲気ばかりをお話しましたが、随所にギャグパートが散りばめられているため、全体を通すとバランスよく笑えて泣けて感動できる作品だと思います。アバーラインとハンクスがとにかく笑いに命かけてる。一番好きなのはアンダーテイカーが愛を求めるとこね。それに乗っかってセバスチャンが歌謡曲っぽい歌を熱唱するところがツボです。

 

そして本編終えてカーテンコール。ミュージカルオタクはキャラと本人のギャップを知って落ちると言いますが(私調べ)、全くもってその通り。見事そのギャップにしてやられましたありがとうございます。つーかカテコ入れてくれるとか神構成じゃね???えっ?カテコ見れるの最高じゃん???(忍ミュ比較)(それはそれ、これはこれ。忍ミュめっちゃいいです良かったら是非)

セバスチャン役松下優也とグレル役植原卓也が仲良い感じなのとか最&高。ドルイット子爵とシエルが腕組んで(手つないで?)仲良さそうに出てくるのとか目の保養以外の何物でもない。生執事のテーマ間奏で1人ずつ一言挨拶があったんですが、役者ご本人とキャラクターの狭間でコメントをしていく皆さんが愛おしくて可愛くてかっこよくてもうちょっと意味わかんないんですけど???生執事ほんと、すきーー(アバーライン)。

 

 

死神派遣協会が推せる

冒頭でも申し上げました通り、初めて触れた黒執事作品がミュージカルなので、原作派の方から眉をしかめられるかもしれませんがそこは目をつむってお読みください。

何よりも誰よりもとにもかくにも死神派遣協会が推せる

エリックとアランは上で散々語ったのでちょっとだけ。この2人は原作に無いオリジナルキャラだということですが、えっほんとに?ってくらい120%人気あるし絶対原作にいただろこいつらみたいな。何て言うかな・・・原作キャラと共演してても遜色ないというか世界観に完全に溶け込んでるというか違和感がないというか・・・キャラの作り込みからスタッフの黒執事愛が感じ取れてとてもいい作品だなと思います。・・・あれ、エリックアランについて語ってないな。上読んでください。そして私はエリック派です。

ロナルドはウィリアムにちょこまかと付いて回るのが可愛らしい。なんだかんだとケーキバイキングに連れて行ってくれたウィリアムツンデレかよ好き。今回この2人はセット感あったなあ(これとリコリスしか見たことないけど)。ロナルドがチャラいくせに真面目一辺倒のウィルに懐いてるのがとても可愛かった。原作でもそんな感じなのかしら・・・気になる。あとはウィリアム役輝馬さんがバク転できるので、カテコでバク転登場した瞬間にウィリアム株爆上がりしました。

 

そしてなんと言っても、みんなのアイドルグレル・サトクリフDeath☆知れば知るほど沼でしかない。グレル役植原卓也さんも含めて推し。何が推しってまずお顔の作りが美しい。グレルというキャラクターが美しいのはもちろんですが、植原さんが綺麗な顔してる。化粧映えするお顔と言うべきか。特典DVD見たんですが、ほんっっっと化粧って化ける。男の人なのにあんなにお化粧が似合ってるなんて卑怯だし美しいし綺麗だし女の私負けてるんじゃないかレベルで本当に綺麗。ヒール履いて(柄タイツはいてるけど)足も出してスラッと女の人らしく立ってる(カマだけど)だけで絵になるのズルくない・・・?あー好き。すごい好き。

グレルに落ちたのはリコリス視聴時、というかリコリスのDVDパッケージ裏の写真。クリアケースから出してひっくり返した瞬間「えっこの人めっちゃきれい・・・」と思わず呟きました。そしてリコリス視聴中「あーこれ絶対好きだわめちゃくちゃ好みだわ」。視聴後にグレルいいわと友人に伝えると「マダム・レッドの上着、サーカス編豪華客船編でも羽織ってるんですけど、その時にアンダーテイカーに『君も過去に囚われてるね』って言われるんですよヤバくないですか(※)」と素敵な情報をいただきました。ヤバいです。率直に言ってヤバいです。好きになる以外の選択肢がないDeath。

・・・逸れました。話を千の魂に戻します。そんな前情報ありで見たもんだから、グレルってシリアス担当かなと思ってたのです。ところが蓋を開けてみたらがっつりギャグ担当でした。ギャグそしてツッコミ。幅広く何でもできるグレルとそれを演じきってしまう植原さんに脱帽。そしてそんなコミカルグレルちゃんを見つめるゲンドウポーズの私・・・・・・推しは何やっても推しでした・・・・・・。

 

※サーカス編ではなく豪華客船編、アンダーテイカーの台詞は「キミも過去を引きずってるねぇ」でした。訂正訂正。豪華客船編ではこの後グレルの真剣な戦闘シーンを拝めるそうです・・・最高かよ。

 

もう1人。死神ではありませんが私の心を持っていったキャラクター・・・ドルイット子爵。正確には佐々木喜英演じるドルイット子爵です。“美の化身”と言うだけありとにかく美しいキャラクター。美しくそしてナルシスト。白とフリルが似合う王子様キャラ。ナルシストがすぎてもはや気持ち悪いがギャグになっているキャラです。本編だけならそういうキャラがいるな~程度だったのですが、特典映像を見て全てが変わりました。

「ちょっとまって佐々木善英美しすぎない?えっ・・・人形じゃないの・・・?」

人形と間違うほど白く滑らかな肌、違和感ない金髪、切れ長の大きな目・・・この人本当に同じ空の下に生きてる人間なんですよね?ドルイットの肌の白さは化粧かと思いきや佐々木さんの自前だったとは・・・この人写真撮るときレフ板いらないだろ・・・。グレルの植原さんは化粧映えする美しさですが、佐々木さんは顔のパーツ1つ1つが美しいというか。美しさのベクトルが違うんですよね。“美しさ”各種取り揃えております生執事。

さらにリコリスのはっちゃけ全力気持ち悪いドルイット→千の魂の順で見たから「あら?」と思ったのですが、これってつまり千の魂からリコリスの間にキャラ付けをして進化したってことですよね。千の魂ではあんまりキモくないな・・・と思ったのですが(※十分気持ち悪い)、見た順番が逆でした。千の魂でほぼ完成しているようなものなのに、まだ磨く、まだ上を向いて進む佐々木さんは神様かと思いました。チュンチュン。

 

 

カメラワークに愛を感じた

ここからは作品の内容ではなくDVDの完成度についてちょっとだけお付き合いください。

ちょこちょこ書いていますが、筆者は「ミュージカル忍たま乱太郎(忍ミュ)」にハマって2年目のミュージカル初心者です。当然2.5次元ミュージカル及び舞台視聴は忍たまのみ。あとは劇団四季と劇団の舞台は数回観に行ったことがあるくらいです。もちろんDVDも忍ミュしか見たことありません。だから他の舞台DVDがどういう作りになっているか分からないのですが、忍ミュと比べて思うことをいくつか。

まず、カメラワークが豊富すぎる。普通こういう舞台を映像化する場合って、客席目線での映像になると思うんですよね。ステージの全景を映し、台詞をしゃべるキャラのアップになり、何かキーになるアイテムを映す・・・客席からの正面映像で。舞台ってそこからの視線を気にして作っているんだろうと思いますし。ところがこの黒執事、恐ろしいほどカメラを配置しています。舞台に向かって正面はもちろん、客席左右上から下からあおり、縦に長い舞台装置を正面から上から下から自在に映す。カメラいくつ用意してるんですか?極めつけは物語終盤、魂が上空に舞いあがる景色を「美しいものは、ただ美しい」と見つめているシエル越しにセバスチャンを映す舞台袖からのカメラワーク。まるで漫画の1コマを見ているようなカットに叫びました。シエルを見つめるその瞳は果たして何を映しているのかセバスチャン・ミカエリス・・・・・・このたった1シーンだけ、1カットだけが舞台袖からの映像で、これはDVDを買った人だけが味わえる至高の瞬間だと思います。

そして何度も行われたカーテンコールの収録。出演者のご挨拶から、何度もアンコールをもらい、何度も出てきて、生執事のテーマを歌って、最後に全員から一言ずつのご挨拶・・・山盛りすぎて胸やけしそう・・・・・・。特典映像にはアンサンブルの皆さんの紹介&ご挨拶もありますしね。誰一人欠けることなく全員が大切な出演者で役者なんだよ、と言われている気がしてグッと来てしまいました。このカーテンコールもカメラが大活躍しています。私が好きなのは、生執事のテーマ間奏中にエリックが「愛してるぜ!!」とコメントしている斜め後ろでウィリアムが爆笑している画が最高に悶えました。

さらには舞台最初の影ナレも収録されているの、とても細やかな演出と心遣いだと思いました。

 

・・・・・・一応補足しておきますが、忍ミュは忍ミュでとても素晴らしいミュージカルですしめっちゃ好きな作品です。ただ、他の舞台DVDを見たことがないので今回比較しただけですので。お暇な方はよかったら忍ミュもどうぞ。オススメの話は6弾。私の推しは8、9弾に出演している鉢屋三郎役の久下恭平(くげ・きょうへい)さんです。

 

 

おわりに

ここまでで5000文字を有に超えました。まじか。製作期間には3日ほどかかってます。アホなのか。もうちょっとで終わります。ここからは生執事を見た今、私の今後の身の振り方を予定立てします。

まず、千の魂を見てそのまま貸してくれた友人にLINEをしました。感想、そして必ず原作を読むと誓いの言葉を連ねました。興奮すると語彙力がなくなって「好き」「尊い」「推せる」しか言わなくなるオタクなので、ものすごく手短に送り付けました。するとこんな返信が送られてきました。

「アニメもオススメです。1期は原作→オリジナル展開、2期は完全オリジナルストーリー、3期はサーカス編で最後のあるシーンだけオリジナルです」

な ん だ っ て ?

こんなに素晴らしく愛されている作品(※2週間前まで見たことない)、アニメ化していることは知っていたが完全オリジナルストーリーだって??よくそれでファンが離れなかったな・・・・・・。でも、それはつまり、他媒体への展開がとてもしっかりしていて大切に作られていてファンの期待を裏切らなかったってことですよね?どこまで私の期待値をあげれば気がすむんだ黒執事。まずは必ず原作を買おう。そして読もう。

・・・今日アニメイトでCDコーナーを眺めていたらグレルのキャラソンCDを見つけてしまってうっかり買うところでした・・・・・・いやいやいや私が知ってるグレルはCV.植原卓也だから!このCD買っても知らないグレルの声だよ!「死神派遣協会のテーマ」とか入ってないよ!!と自分を必死に宥めて何とかその場を去りました。以上、閑話休題

とにもかくにもまずは原作を買います読みます大人買いが楽しみ。そしてきっとアニメも見るのでしょう。アニメよりも先に生執事を観に行っている自分の方がリアルに想像できますが。・・・・・・いやこれ多分次の生執事観に行ってるぞ私・・・絶対観てるわこれ・・・・・・ちょろすぎじゃない・・・?

 

 

以上、黒執事初心者による「ミュージカル黒執事 千の魂と堕ちた死神」レポでした!

黒執事初心者の皆さんでも大丈夫!世界観の説明やキャラクターの紹介は作品内でしてくれますし、付属のブックを読めば理解できます(私が証人)。気になった方はぜひぜひ手をのばしてみてください~楽しいよ生執事~。